今までの人生、後ろを振り向かずただただ前だけを見て突っ走って来た。会社人生を終えてから4年程が経ったが、最近時々は今まで歩んできた人生を邂逅して見るのも悪くないなと思う様になってきた。還暦も過ぎた今、精神的肉体的要素を考慮に入れた人生を山登りに例えれば,既に頂に立っていると思って間違いないだろう。苦しい登山も頂上に辿り着いた時に報われる。何故ならばそこには全方位で見える素晴らしい景観が用意されているからである。今まで歩んできた人生、これから歩まんとする人生。来し方を想い行く末を見据えるに最高の時と所ではないだろうか?!
願わくば出来るだけ長く頂上に居たい、気が済むまでそのあたりで時を過ごしたい。でもいずれは山を下っていかなければならない、故に悔いのない下山方法を考えている。そして途中途中の景色を楽しみながら急ぐことなくゆっくりと人生の坂道を降りて行きたいと思っている。何時かは分からないがやがて麓に辿り着く、そして自分が登り、そして下りて来た人生の山を振り返る時、例えその山が他の峰々より低かったとしても自分なりの山を征服し人生やるべきことをやったという達成感が感ぜられれば望外の幸せという他ない。まさに人生意気に感ずである。
人生色々、100人集まれば100通りの夫々異なった人生のドラマがある。私の人生もそのうちの一つである。しかし私は生まれつき天邪鬼的なところがあったから、人とはチョッと違った履歴書を書きたいなと思ってきた。どうせ一度の人生、途中で道草を食ったり脱線したりしたのも悪くはなかったなと今はそう思えるようになった。
リタイアを機に折に触れてエッセーめいたものを書いてきたがこれはその集大成である。話が若干前後したり、内容が重複したり、また記憶がおぼろ気なところもある。一部赤裸々に書いたので、反発される箇所もあるやも知れず。しかし、事実に限りなく忠実であることを頑くななまでに貫いた。それはある人に真実を語りたかったからである。この拙稿を全て読み終わった時に私が何故そうしたかったのかの理由をお分りいただけることだろう。
尚添付写真の一部はウエブサイトのフリー写真素材を引用させてもらったことも付記しておきたい。では少しずつわたしのカウボーイ物語の話をしていくことにしよう。