人間ある程度齢を重ねてくると、色々な欲から解放され淡白になって来る。食欲だけは生命維持のためか死ぬまで衰えることは無いだろう。また性欲も寝た子を起こすようなことが無い限り軟着陸をしていくものである。そしてあとの所謂世俗的な欲望、たとえば物欲とか名誉欲などはもう限りなくゼロに近くなっていく。何故か? 私を含め賢明なる中高年族はお墓には何も持って行くことが出来ないことを既に悟り始めているのである。人生の総決算期が近ずいてくると、大事なのは如何に人生を楽しんだかと言うことである。即ちそれがこの世で自分が辿ってきた人生を採点する最後の成績表だと思っている。
長い会社人生を終えセカンドライフに突入したのを機に、私は少しずつ自分史を書き始め、今それがやっと終章近くになってきていることを感じている。来し方に一つの区切りをつける意味でも自分にとっては必要な作業であった。私は今までもそうであったようにこれからも未来に生きる人間でありたいと願っている。だから私には“年老いる”という言葉は当てはまらないし、かくしゃくたる人生を全うして天に召されたい。
従って < 今日が残りの人生の最初の日 > と何時も思っている。そして < やったことを悔やまず、やらなかったことを悔いる。> やり直しがきかないのが人生であることを私は嫌ほど知っていることも付け加えておきたい。
また、人生の一里塚として何処かのサイトでプログを作成し自分史を残しておきたいと思う。その一里塚を敢えて発表するつもりもないので、たまには道行く人がひょっともしたら見つけるかも知れない。そんな感じでいい。だから長い年月が経つと苔むし草木が被い茂り見えなくなるだろう。でも本人だけはそこに自分の一里塚があることを知っている、それが心の安寧というものではないだろうか?!
学生時代ひまにまかせて一生懸命仁侠映画を見た。だから私のブログは次に示す様な任侠風な口上で始まるだろう。“ 義理と人情が廃ればこの世は闇だ ”というくだりが好きだった。 そして今尚“花は桜木、人は武士”と言う言葉に心酔する。冒頭に謳ったが如く、< 祖国は日本、骨埋めるに悔いなきはアメリカ > とは言えども、私は死ぬまで日本人であり続けたい。
”フーテンのカウボーイ”
おひかえなすって!
手前、生国と発しますは愛知県です。
愛知愛知と言っても広うござんす。
ズズッと南へ下って常春の国、渥美半島は伊良湖岬。
怒涛の如く押し寄せる黒潮で産湯を使いました。
姓は奇人、名はトラ次郎。
人呼んで”フーテンのカウボーイ”と発します。
西に行きましても東に行きましても
とかく土地土地のおあにいさん、おあねえさんに
ご厄介かけがちな不良高年でござんす。
以後、見苦しき面体お見知りおかれまして、
恐皇万端ひきたってよろしくお頼み申します。
幼き頃は天童で、中学までは秀才の誉れも高い優等生。
高校は酒やタバコで身を崩し、いつの間にやらただの人。
大学で学んだことは数あれど、全てが遊ぶことばかり。
親に嘘つき巻き上げたお金で放蕩三昧の、男一匹グレ始め。
人並みに会社勤めはしたものの。
上司と喧嘩ばかりして。
挙句の果ては島流し。
島は島でも日本の島は、デッカイおいらにゃ狭過ぎる。
夢よ叶えと海渡り、やってきました米の国。
ロマン漂うこの国で、始めましたは糞拾い。
一年二年三年と、苦労苦労の積み重ね。
これからいよいよ幕開く !!
”フーテンカウボーイ”のお話よ。
さあさ、さあさあ!
御用とお急ぎない方は、寄って頂戴、見て頂戴。
人生楽ありゃ、苦もあるさ!
犬が西向きゃ、尾は東 !!
あたり前田のクラッカー!!!
あなた百までわしゃ九十九まで、共にシラミのたかるまで。
嗚呼、口上もシッチャカメッチャカこの始末。
聞くも喜び、語るも涙、いよいよ始まる物語。
それではお後がよろしいようで。。。。。。