J 「話の続きだけど、原発事故がこんなに大変な状態になっているのに、いまだに何でも電力会社に任せている政府はチョッとおかしいんじゃない?」
M 「そうだね、一企業ではもうどうしようもない状態にきているから、今こそ政府が政治主導とか超法規処置で原発を一企業から取り上げてそれこそ国内外のエクスパートの助けを借りて一刻も早く事態収拾を図るべきと思うよ。いつまでも東電一社の責任と権限で全ての作業を行わせ、最終責任は国民に転換と言うことだけは止めて欲しいな。でも日本と言う国、戦後の政治家や官僚、企業の責任者達は何かごとがあると問題を先送りしてきたし、また責任の所在を曖昧にすることで国を何とか前に進めてきた。しかしこの原発問題は、もうそんな姑息な手法では解決出来ない状態になってきている。彼らが目を醒まさないと『日本沈没』もあながち小説の世界ではなくなってくると思うよ。」
J 「それともっと理解に苦しむのは、彼らが悪いニュースや数値を小出し、後出ししていることね。国民をパニックに陥れたくないという気持ちは分かるけど、アメリカなんかとアプローチの仕方が全然違うのね。こちらではまず最悪の事態を想定して国民に知らせる、勿論ショッキングな情報だけど、それ以後事態はよくなりこそすれ悪くなることはないから、みんなその時に心構えが出来てしまうんだけど。日本のやり方は発表する度に状況は悪くなっていくから、もう国民も政府や東電を信用出来なくなるんじゃないかしら?」
M 「いつも『現時点では健康に直接の影響を及ぼさない放射線量だ。」 「安全だから心配要らぬ。」 「冷静に行動して下さい。」 と判を押したように同じコメントを聞かされる。恐ろしいのはたとえそれが間違っているとしても、そんなことを毎回毎回聞かされると人間と言うのは免疫性が出来てしまうんだね。そのうちにもう少々の数字では驚かないようになる。まあ、これが政府、保安院、東電の狙っているところなんだけど。」
J 「日本人というのはそんな政府のいい加減な対応をよく我慢しているね、どうしてもっと怒らないのかしら?」
M 「やっぱりほとぼりが冷めた頃に真実を小出しにする隠蔽工作が功を奏しているのさ。3-11にメルトダウンしてた事なんて海外メディアではとっくに報道済。だからアメリカは20キロ退避ではなく当初から80キロにしたんだよ。国内メディアだけが嘘付いて報じなかった。金まみれの御用マスコミでは真実なんか到底語れない?!逆にこんな時に相変わらずバラェティ番組で笑わせているメディアやそれを見て笑っている大勢の日本人が段々気味が悪くなってきたよ。」
J 「私は日本人が大好きだからあまり批判はしたくないんだけど、テレビだけ見ているとほんとにマスコミの思う壺にはまってしまって気がついたらそこら中おバカや極楽トンボの国民だらけになるわよ!」
M 「実はそうなんだ。大半の国民が『すでに解決した』とか『興味が失せた』あるいは『考えるのに疲れた』 と言ってさ。そんな頃を見計らっての、ようやく恐ろしい結果や数字の発表。結局最初から、東北や関東の人々を人体実験させたのではとうがった見方もしたくなるよね。東日本がパニックになり、東京での経済活動がマヒするのを恐れたのだろうね政府は。大切なのは人命よりカネと経済、そしてもちろん自己保身。あの権力にしがみつくことのみに一生懸命になっている政治家達や自分達の退職金や報酬のことしか考えない東電のトップ達、メルトダウンなど決して起きないと大見得切っていたのに急に現れなくなった学者達。。。。。。。今回の震災に関する様々な出来事によって、この国が実はマジョリティの国民は民度も高く素晴らしいんだけども一部の無能なトップグループ(政治家、官僚、企業家、学者、マスコミ等の所謂原子力マフィア)の所為で国が誤った方向に導かれていることを知って、とても悲しく悔しい思いがするよ。」
J 「それにしても不思議な国ね。大震災以降、政治もこんな行き詰まった状況なのに、何で、日本では一般の国民が大掛かりなデモをやらないの?アメリカだったらもう国会議事堂周辺に100万人くらいのデモ隊がきて喚いているんだけどね?!被災地復興はなかなか進まず、義援金もわずかしか届いていない。。。レベル7の福島第1原子力発電所においては、情報隠しと改ざんが疑われ、メルトスルーしていることも発覚。。。。放射性物質は近県どころか、静岡県のお茶にまで飛来し、海はかなりの汚染。。。。。。普通、どの国でも、これだけの問題が起きて、政府や政治家がこんなにも何もできてないと、大規模なデモが必ず起こる。。日本はどうしてなの? 何で動かないの?ほんとに不思議だわ。」
M 「言われてみたら、確かに欧米ならそうだろう。。。韓国や台湾でもそうなるかもしれない。。。 中国だって政府があちこちで、デモの目をつぶそうと必死だ。。。 東南アジア、中近東、アフリカでもたびたびデモは起こるし、卑近な例はアラブの春と言われるチュニジアやエジプトなんかそれによって政権さえも代わってしまった。『日本人は、今回の東北の人たちが象徴しているように我慢強いんだよねえ。。。。』
J 「何か答えになっていないわ。何処の国でも一番元気がよくて騒ぎ出すのは学生なんだけど、日本の学生ホント静か過ぎない?」
M 「黙っているわけではないんだけど、でも一般市民がデモとかいう直接行動はとらないのは確か。かっての後遺症があるんかなあ?昔はデモ隊=左翼運動=警察がマークと言う図式があったから、デモと言うのは一般受けしないんだよね。学生だって、かつての全共闘運動のような熱さやエネルギーはもうなくなってしまったし、何故なんだろうね?!国民全体が草食系になったからかなあ? 祖国を離れてからもう40年近くたっているから、正直僕にもよく分からないよ。」
J 「日本人は異常時になっても冷静で秩序を守り、皆で助け合う。それはそれで素晴らしいことだと思うけど、怒らねばならない時でさえも怒らない。喜怒哀楽の感情表現もないの?」
M 「あ~あ。。。。。今日はもういいよ。」
段々彼女の追及が厳しくなってきたし、もう勝てそうもないから、今日は矛を収めることにした。明日はまた別のトピックで論議となるだろうから今度はリベンジして彼女を論破してやろうと思っているんだが。