一瞬時代錯誤に陥ったような気がした。辞書を紐解くと時代錯誤とは、既に過去のものとなり、その時代にそぐわなくなった文化を持ち出そうとする姿勢を指す、とある。この写真はまさにそれを地で行くもの、アメリカ人の乗用車、今昔である。
私の牧場は街から6キロ程離れた郊外にある。ほぼ毎日の如く雑用で出かけていくが、今日は思いがけない光景に出くわしたので思わずシャッターを切った。ガソリンスタンド併用のコンビニ(アメリカはこの形態が殆ど)に村のカウボーイが馬に乗って買い物に来たようだ。向こうに見える自動車とのコントラストがあまりにも面白かった。こんな景色はもうテキサスの方田舎くらいでないと見られないだろう。ここには今尚ノンビリした古き良き西部の面影が残っている。我ながら大変アナログ的な所に住んでいるんだなあと変に感心すると同時に、『思えば遠くに来たもんだ』とのかっての海援隊の歌の文句が妙に懐かしく思い出された。