巡り合ってから彼らがズッと交わし合ってきた言葉。『 あなた/君がどんどん好きになっていきます。あなた/君の全部が好き!これからも、永遠に一緒にいようね。楽しい時も悲しい時も、嬉しい時も辛い時も。そしておじいちゃんおばあちゃんになっても、仲良く手を繋いでいようね。あなた/君がズッと大好きだよ!』そんな彼らが正式に結ばれた。
いつの日か日本での二人の思い出の地で結婚式を挙げたいと言う願いがあるために、ここアメリカでは至極簡単な儀式であったが11月4日、彼等は牧場のある街の小さな裁判所で正式に結婚した。亡き母親の友達の裁判官の前で、未来永劫一緒であることを誓い合う二人を見守ったのは父親の私ただ一人。世界一小さな結婚式、でも彼等の厳粛な顔つきには、得も言われぬ幸せ感が漂っていた。40年前の私達も二人だけの結婚式をラスベガスで挙げた。息子達が辿る軌跡があまりにも私達に似ているのである種の戦慄さへ覚える。しかし彼らと私達には大きな違いがある。それは私達は双方の親や友人達の大反対を押し切って。彼等の場合は参列者こそなかったが周囲に祝福されてのゴールインであった。
息子の母親であり私の亡き女房は彼に遺言を残して逝った。『 パパとママが苦労して築いた日米の架け橋をこれからも一生懸命守り続けて行って下さい。出来ることなら貴方は日本人女性をお嫁さんとして迎え、まだ見ぬ私達の孫達と共にこの架け橋を渡って行って欲しい 』息子は母との約束を忠実に果たした。これから進んでいく道は決して平坦なものではないだろうけど最愛の新妻と共に力強く未来への第一歩を踏みだしたことは確かである。オメデトウ、幸せになって下さい!