アメリカでは10月を過ぎると、狩猟・ハンティングのシーズンがやってくる。日本ではハンティングは場所や資格の規制が厳しく、狩猟人口も少ないので、あまり親しみがないが、ここアメリカではスポーツの一つとして、多くの人達が狩猟を楽しんでおり、そのハンター人口は全米約1250万と言われている。解禁期間になると、休暇を取って狩猟に出かける連中も多く、キャンプ場やキャビンで寝泊りしながら、自然を楽しみ、獲物を追い続ける。
彼等は動物たちの足跡や音を識別して、経験と勘に頼って、ひたすら獲物を探し求め、待ち続ける。しかしながら、ただ待つだけではなく、事前に鹿や小動物たちを誘き寄せるために、餌を撒いておいたり、隠しカメラなどを使ったりして、通過する場所を限定して、下準備をしておくこともある。
当牧場でも奥に入っていくと大きな森があり。そこには多くの野生動物である鹿、猪、山猫、七面鳥、兎、コヨーテ、などが生息している。私は生来の不精者、また待つことが好きではないので、狩猟とか魚釣りはあまり気が乗らない。だから友達が我が敷地内で狩猟させてくれというから、どうぞと場所を提供している。彼は本格的なハンターで、写真の如く色々なツールを駆使してそのデータを基に獲物を待つ。毎日朝早くと夕暮れ時にやってくる。そのマメさといったら脱帽ものである。そのうち大鹿を射るから期待し待ってろと言う。鹿の肉を分け前としてくれるらしい。
聞けば狩猟はただ獲物を待ち、射止めるだけのスポーツではなく、動植物や天候などの自然界に対する正しい認識と、銃器に対する安全性を重んじる姿勢、そして、自分との厳しい戦いに等しい忍耐を必要とする真面目なスポーツのようだ。それだけに、獲物を射止めることができた瞬間は、他のスポーツとは違った純粋な誇りと達成感の喜びを味わうことが出来るらしい。だが自分的には、長いこと待たされてまでもそんな達成感は味わいたくもない。(笑い)辛抱が出来なくなってきたのは老化現象の始まりかなあ~?